こんにちは!どんぐり暦3年のさよんごです。
子どもの思考力を養う「どんぐり倶楽部」について情報発信しています。
今回はどんぐり問題の実践編です!
今回はお宝(不正解)💦
この後どうすればいいの?
子どもが理解できていない言葉は、親が意識して日常で使っていきましょう。
しかし、どんぐり倶楽部では直接、説明するのはNG。
日常生活のいろんな場面に散りばめることで、こっそり教育するのです!
でも「こっそりってどうすればいいの?」と困ってしまいますよね。
わが家では週に1度、ゼロイチ算数教室の朝子先生にアドバイスをもらいながら、日常生活をアップデートしてきました。
黒子の力がだいぶつきました!笑
そこで今回は、私がどのようにこっそり教育してきたのか?「わが家の黒子物語:0mx33編」をご紹介します!
- 0mx33のポイント
- 私がどうやって「こっそり」教育してきたか?の様子
どんぐりママ・パパがお子さんに応用できるような内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!
目次
0mx-33はこんな問題
年長さん向けですがとっても難しい問題です。
大人でも問題文を読んだだけでは答えが浮かばないのではないでしょうか?
- 「ひとつも同じ色がない」とは?
- 「その前の日」の「その」が何を指しているのか?
- 昨日の数がわからない状態から、その前の日より3びき増えていて、今日は昨日より6匹増えている絵を描かなくてはいけない。
- 昨日の数は「7匹」と分かったら、数の差を保ったまま、正確な数に調整しなければいけない。 etc
「その前の日」ってすごく難しくて、昨日ではなくて「今日」と勘違いしてしまう子もいるそうです。
この問題の答えは「9匹ちがう」が正解です。
年長さんの夏に解いた時は、お宝
ここからは、息子を私が実際にどう取り組んでいるか?を具体的に紹介します。
私の声かけや、不正解の後のサポートも紹介していますので、お子さんとのどんぐりの参考にしてくださいね!
年長さん(5歳)の時に描いた絵がこちらです。
「いろんな色のぬけがらがある」という意味はわかったようですが、それ以外のことはほぼ理解できていなかったと思います。(^^;
色も薄いので、鉛筆をしっかり握ることも難しかったのかもしれません。
不正解の後、親がしてきたこととは?
不正解の後で親がすることは次のとおりです。
- わからなかった言葉を洗い出す
- 親が黒子になって日常生活に散りばめる
【ポイント】子どもに気づかれないように!
わからなかった言葉を洗い出す
今回は、次のような言葉が理解できていないと思われます。
- 「その」が直前の言葉を指しているということ
- 「おととい、昨日、今日、明日、あさって」など、1日ごとの区切りを示す言葉
- 「〜より」という言葉(どちらが、どちらより、どういう状態か?という関係性)
親が黒子になって日常生活に散りばめていく
理解できていない言葉が洗い出せたら、黒子(親)の出番です。
今回は大忙しになりそうです・・・!笑
▼「その」が直前の言葉を指しているということを、どう使っていくか?
「その」の使い方ってすごく難しいんです💦
子どもが「その」をイメージできないところで使うのですが、
恐竜のフィギュアの箱があるでしょ?
その中から3つ選んでくれる?
こういう言い方だと、「その中から」という言葉がなくても、
恐竜のフィギュアから選べばいいのかな?
と、予測ができてしまうのです。
なので、
恐竜のフィギュアの箱があるね。緑色の恐竜がいるね。
その中から草食恐竜だけ選んでくれる?
こんな感じでしょうか。
きちんと考えないと「その」が何を指しているのか分からない、という文章をつくってあげてください。
▼「おととい、昨日、今日、明日、明後日」など、1日ごとの区切りを示す言葉を、どう使っていくか?
「1日」という概念があって、朝から夜までがその区切りであること。
また、「今日」を中心に前後の数日には「呼び方」があること。
これって、大人は当たり前のように使っていますが、子どもにとっては難しいのですよね。
おはよう〜!
昨日が終わって、今日が始まるね〜!
おやすみ〜。
今日が終わるね〜。
寝て起きたら明日になってるね〜。
(学校の献立表を見ながら)
昨日の給食は何だったの〜?
じゃあその前の日は?
そっか、一昨日はカレーだったんだねぇ!
このように、多少不自然になっても、しつこく使ってあげてくださいね。
区切りのタイミングがイメージできるように「起きたら」とか「太陽が昇ったら」といった言葉を添えてください。
もう少し年齢が上がったら、本当は夜中の0時が一日の区切りであることを教えていくのが良いと思います。
▼「〜より」という言葉(どちらが、どちらより、どういう状態か?という関係性)をあらわす言葉を、どう使っていくか?
「〜より」も子どもにとっては難しい言葉です。
例えば、
- AはBよりも少ない
- AよりもBが多い
これは同じことを説明しているのですが、何を基準に比べるか?によって、多い・少ないといった状態も変わってくるので、「主語はどれなのか?」ということも理解できていないと混乱してしまいます。
今日のお菓子はラムネにしよう〜。
ばぶくんが10粒、ママが8粒。
ママより、ばぶくんの方が、2粒多いね〜!
差が2粒だね!
今日のお菓子はグミを分けよう〜。
ばぶくんが5粒、ママが6粒。
ばぶくんの方が、ママより、1粒少ないねぇ!
違いが1粒だね。
このように、一つ一つの言葉を丁寧に使っていってあげてくださいね。
私たちは「それとって?」「先に入って?」というように、短い言葉で会話をしてしまいます。
ですが、主語と述語を丁寧に使うようにしてあげると良いです。
「ママは今手を洗っていて動けないんだ。棚の上に置いてあるタオルを、ママにとってきてくれる?」
「ママは洗濯が終わるまでに、あと5分かかるんだ。だから、君は先にお風呂に入ってくれる?」
どうでしょうか?かなり長い文章になりましたね!
このように、日常生活の会話を丁寧にくり返すところから、読解力はつくし、それが算数の文章問題を解く力にもなるのです。
日常生活をザツに流してしまうのはもったいないのですね!
2年半後:小2の冬に再チャレンジ!
さて、そんな生活を送りつつ、前回から2年半が経ちました。
小2の冬に再チャレンジです。
こちらが再チャレンジした時の息子の絵です。
前回と違って、随分しっかりした絵になりました!
ここからは、どんぐり問題を解いている時の様子を、私とのやり取りも交えて紹介していきます。
▼今日の約束
絵を間違えた時に消したくなったら、バツを1回だけ描いてね。
▼(1文目)せみの おみせには いろんないろに ぬられた ぬけがらが たくさん おいてあります。
右ページ下の方から書き始める。
色鉛筆を使っていろんな色のぬけがらを書いていく。
1つ「1000円」と書いてある。ちょっとお高い設定かな。笑
▼(2文目)ひとつも おなじいろが ないそうです。
どういうこと?
「ひとつもない」ってすごく難しいそうです。
ここの説明は、私はその場でうまくできなかったので、朝子先生のアドバイスをご紹介します!
- 子どもに聞かれたら文節で区切って聞き返す。
- 分からない言葉を特定していく。
このケースだったらこんな感じ。
「ひとつも」ってわかる?
👉「同じ色」ってわかる?
👉「同じ色がない」ってわかる?
👉「ひとつも同じ色がない」ってわかる?
そして、
「ひとつも」がわからない
となったら、その言葉の説明だけをします。
「飴がひとつ、ふたつ、みっつって数えるのね?一個っていう意味だよ」
こんな感じです!
さて、話を問題に戻します。
同じ色で塗ったぬけがらはなかったので、何もせずに先に進むことに。
▼(3文目)きのうは そのまえのひより 3びき ふえていて きょうは きのうより 6ひき ふえていました。
左ページに「きょう」の店を書き始める。
色鉛筆が6色しかないので、色が足りなくなってしまった。
色がなくなっちゃったよ〜
色がなくなっちゃったんだね〜。
どうしよっか?
(淡々と。ここでもノーヒント。)
しばらく考えて、一つの抜けがらを2色で塗ることを思いついた。
これなら同じ色がないことになる。
すごくいいアイデアだね〜!
しばらくして、右ページ上に描き直す。ここから鉛筆1色になった。笑
「昨日の数」がまだわからない状態なので、昨日を6匹と仮定して描く。
「一昨日:3匹、昨日:6匹、今日:12匹」の絵が描けた。
それぞれの数の差はあっている!
▼(4文目)きのうの かずが 7ひきだったとすると、きのうのまえのひの かずと きょうの かずの ちがいは いくつでしょう。
最後の文章でやっと、「昨日の数が7匹」と判明する。
すると息子は、「昨日:6匹」の絵に1匹足して7匹にする。
そして、一昨日と今日にも1匹ずつ追加するのを忘れずにできた!
差を保ったまま数の調整ができた、ということ。(これが子どもにはとても難しいのです。)
「昨日の前の日」ってどういうこと〜?「その前の日」ってこと〜?
わからなくてちょっとイライラしている。
イライラを手放してもらって(ここでもアンガーマネジメント)、カレンダーで一緒に確認していく。
私はカレンダーを見せながら、問題文のヒントにならないように気をつけて説明をする。
今日は何日だっけ?
15日だよ
(カレンダーにマルをつけながら)そうだね、今日は15日だね〜
じゃあ、昨日は何日?
14日
(カレンダーにマルをつけながら)そうだね、昨日は14日だね〜
じゃあ、「その前の日」は何日?
13日
じゃあ、「昨日の前の日」は何日?
13日
そうそう。
13日のことを、「おととい」って呼ぶよ
ふ〜ん
このやり取りで「その前の日」と「昨日の前の日」が理解できたようです。
答えは「9ひきちがう」で正解でした。
ちなみに、今日と昨日の違いも、今日と一昨日の違いも、ちゃんと分かっていました!
まとめ
今回は「わが家の黒子物語。0mx33編」をご紹介しました。
まとめにいきましょう。
日常生活に散りばめる言葉と使い方の例
きちんと考えないと「その」が何を指しているのか分からない、という文章をつくってあげてください。
<声かけの例>
「恐竜のフィギュアの箱があるね。緑色の恐竜がいるね。その中から草食恐竜だけ選んでくれる?」
大人は当たり前のように使っていますが、子どもにとっては難しい概念です。
日常の至る所に散りばめて、「1日」を体感させてあげてください。
<声かけの例>
- 「おはよう!昨日が終わって、今日が始まるね。太陽が眩しいねぇ。」
- 「おやすみ。今日が終わるね。」
- 「昨日の給食はなんだったの?じゃあその前の日は?そっか、一昨日はカレーだったんだね!」
何を基準に比べるか?によって、多い・少ないといった状態も変わってくるので、「主語はどれなのか?」ということも理解できていないと混乱してしまいます。
主語もきちんと意識して、一つ一つの言葉を丁寧に使っていってあげてくださいね。
<声かけの例>
- 「今日のお菓子はラムネにしよう〜。ばぶくんが10粒、ママが8粒。ママより、ばぶくんの方が、2粒多いね〜!差が2粒だね!」
- 「今日のお菓子はグミを分けよう〜。ばぶくんが5粒、ママが6粒。ばぶくんの方が、ママより、1粒少ないねぇ!違いが1粒だね。」
どんぐり中に「わからない」と聞かれた時に教えるコツ
ヒントにならないように注意してください。
ポイントは次のとおりです。
- 子どもに聞かれたら文節で区切って聞き返す。
- 分からない言葉を特定していく。
例として、「ひとつも同じ色がない」の意味が分からなかった場合にどうやって聞き返していくか?を見てみましょう。
「ひとつも」ってわかる?
「同じ色」ってわかる?
「同じ色がない」ってわかる?
「ひとつも同じ色がない」ってわかる?
そして、「ひとつも」が分からないと言われたら、その言葉だけを説明します。
「飴がひとつ、ふたつ、みっつって数えるのね?一個っていう意味だよ」
今回の記事は以上です!いかがでしたか?
ほんの1問ですが、どんぐり問題の1問はとても奥が深く、大事な言葉がぎゅうぎゅうに詰め込まれているのです。
日常生活の会話を丁寧にくり返していくことが大切なのです。
どんぐり学習の参考になれば嬉しいです!