こんにちは!
どんぐり暦3年の、さよんごです。
子どもの思考力を育てる「どんぐり倶楽部」について情報発信しています。
どんぐり問題のやり方、これでいいのかな?💦
どんぐり問題の基本は家庭学習。
でも、家庭だけでやっていると、「このやり方で合ってるのかなぁ?」と心配になりますよね。
わが家では週に1回、ゼロイチ算数教室・山森朝子先生のオンライン教室を受けていますが、その様子がとっても参考になります。
そこで今回は、朝子先生のオンライン教室の様子を再現してお届けします!
口出しにならない絶妙な声かけの様子など、とても参考になりますよ(^ ^)
また、今回の記事では、九九や計算だけで解こうとすると、よくわからなくなる・・・という現象もご紹介します。
だから絵図で解くことが、とっても大事なのです!
- どんぐり問題のやり方(朝子先生のお手本:1mx68編)
- 九九や計算だけでは、見えないものがあるということ
今回の記事がどんぐりママ・パパの参考になれば嬉しいです。
どんぐり問題のわかりやすい解説はこちら▼
目次
1mx68ってこんな問題
3文目で一旦、出した答えを、4文目で変更するという、とっても難しい問題です。
この問題は、次の点がポイントかなと思います。
- 72cmを8cmずつに分けられるか?(わり算)
- 燃料補給の意味がわかるか?(知識)
- 「一回」「一回分」が何を指しているのか理解できるか?(読解力)
- 出発前に1回分の燃料が入っていることを差し引けるか?(読解力) etc
最後の文章を読んだ子どもの反応は、ざっくり3パターンあります。
① そのままスルーしてしまい、回答も変えない
② 一生懸命考えて、回答を変える
③ すぐに察知して、1回差し引いた答えをパッと出せる
②で回答を変えられなかったとしても、一生懸命考えられる・・・というだけでも、とってもすご〜いことなのだそうです。
さて、この問題。
これを読んでいるお母さん、お父さんも、ここで解いてみてください。まず、計算だけで解いてみましょう!
九九や計算だけに頼ると、世界が見えにくくなってしまう
・・・いかがでしょう?解いてみましたか?
燃料補給は結局何回かな?
「9➖1」でいいのかなぁ?💦
大人でも、ちょっと頭をひねりますよね!
計算式にするなら、次のようになると思います。
72cm➗8cm=9回
9回➖1回=8回
答え:8回の燃料補給が必要
「72cm➗8cm=9」は簡単にできるかもしれませんが、「1回分の燃料が入っています」を式にするのはちょっと考えませんでしたか?
九九や計算式だけに頼ると、「見えにくくなる」ということがちょっと体感できたでしょうか。
朝子先生のオンライン、スタート!
ここからは、オンライン教室の様子をそのままお届けします!
- どんな声かけをしているか?
- 口出ししないで上手に誘導するにはどうしたらいいか?
など、とても参考になりますよ!
息子が最後まで楽しく、でも粘り強く解いている様子も、ご覧くださいね ♪
【1文目】
「バッタのパタパタは、お誕生日にずっと欲しかったジェットエンジン付きのスケートボードを博士に作ってもらいました。」
バッタのパタパタ?
そう言えば、これやったかも
いついつ?
しばらく探しているので、お母さんに聞いてきてもらうことにした。
100%やってないんだって
と言いながら戻ってきたが、数分間、ノートをめくったりして、探している。
以前は、同じ問題をしても、なにも言わなかったけど、最近はしっかりわかって絵を描いているから、やったと断言できるようになってきたのかな。これも成長。
去年の秋に似たような問題をやってるんだよね
じゃあそれかなあ?
じゃあこれ(この問題)やろう
納得してから、すすめるタイプ!笑
木とかマシンとかで、作ってる・・・【赤い囲み】
もじゃもじゃ頭の人が博士かな
プラスチックを機械で製造して作ってる
【2文目】
「このスケボーは一回の燃料補給で8cm進めます。」
1回の燃料補給って何?
燃料って、車でいうとガソリンみたいなもの
銃みたいなので入れるやつ?
そうそう。補給は入れるってことかなあ
燃料がガソリン?
そうそう。
【青い囲み】に描く。
【3文目】
「では、72cm先の学校に行くには、走り出してから何回の燃料補給が、必要でしょうか。」
何歩とかじゃなくて、何時何分とかじゃなくて、何cmっておかしくない?
確かに何歩もいいけど、距離だから何cmっていうのもいいんじゃない?
でも72cmってね~
バッタにとってはスケボーで行かないと、ダメなんだね。
ジェットエンジンで行くんだ・・・
たったの72cmをスケボーで行くところをイメージしているだろう、微妙な顔のばぶんごくんが笑える~
72メートル?
「72cm」先の学校に行くんだって
これ、パタパタの家・・・言っとくけど、パタパタは6階にいるよ。
もうちょっとかな、8階建て・・・一番上にいる・・ここ。【下図】
えっとまず最初、8✖︎9は72だから、8cm×9cmは・・・
1回の燃料補給で8cm進めるから、8✖︎ほにゃららは72ってことは、8cm×9cmは72cmってことは、8✖︎9=72だから8cm×9cmは、72cmだから・・・この家から・・・【緑のマーカー】
家から学校まで「72cm」とかいた。
9回の燃料補給で学校へ着ける。じゃ、答え書くね
じゃあ、9回がわかるようにしてみて~♪
【ピンクの囲み】にガソリンスタンドを描いている。
「ジェットエンジンつきのスケボー専用のガソリンスタンド」と書いた。
で、燃料
ノズルが垂れている絵を描いている。【下図】
やってなかった、同じような問題だった。
今まで吟味していたのかな?笑
これで一回目じゃん(一番左のノズル)
・・・わかんなくなっちゃった
今度は右側から1回目、2回目と言いながら、スケボーに入れている線を描いている【下図】
全部で9回入れてるの。9回の燃料補給したよ。
超筋肉のむっきむきの人、そのかわり、足がいくつになっても幼稚園くらいの足【下図】
だと思った
だから、大人くらいの台を用意してガソリン入れないといけない
ばぶんごくん、72cmだったら9回なんでしょ。
もし100cmだったらどうなる?
増えるに決まってるよ
なんで9回になるのか、描いて〜
字でも、絵でもいい?
絵がいいかな
8×9は72は、かけ算だと簡単だけど、絵で描くと時間かかるけどいい?
8が9個・・・じゃあ、あめが、はじめに何個かあります。【下図】
やっぱり・・・どうしようかな・・・やっぱり・・・描くの難しい・・・
9×3=27、あと7こ書かなきゃいけない
ここで、8が9個あるというところから、9が8個あることに変わってしまっている。
9は、5と4に分けて書いている。
じゃあ簡単にしようか!
どうやって?
・・・あ、わかった。
もうさ、定規で書いちゃう。
例えばこれが8cmでしょ、これを9個書く【下図】
ばぶんごくん、それ工夫じゃん!
朝子先生、それ言おうと思ったの?
あさこ先生はね、その家から学校までの道のところに描けばいいかなと思ったの
結局いっしょじゃん
そ〜だね!
【水色のマーカー】に8cmを表す四角を9個かいた!
素晴らしい。とても簡単になった
【4文目】
「出発前は一回分の燃料が入って いることにします。」
結局、ばぶんごくんの描いた絵は、合ってなかったってこと?
と言いながら、紙を追加した。
じゃあ、答え二つ書くってこと?
「1回分」という言葉に引っかかっている。
1回分とは1回学校へ行くこと、と考えているようだ。
深く考えて、「72cm」と、「64cm」の場合の2つを書くってこと?と聞いている。
最後の文を聞いて、答えを一つに決めるってこと
結局はこの絵、どうにもならなかったってこと
そんなことないよ。最後に通して読むね。
【最後に通して読む】
(通して読む)
1回分の燃料?8cmの1回分の燃料?
1回分の燃料補給で8cm進めるでしょ。
だから、8cm分の燃料が入ってるってこと?
するどいとこ、ついてきたねぇ
「1回分の燃料」という言葉を、違う言葉で置き換えることができている。
そうじゃない?
出発前は一回分の燃料が入ってるんだもんね
だから、やっぱ8cm分の燃料補給ってこと?
なるほど
そういこと?
ばぶんごくんが、思った通りに描いたらいいよ
これで終わり?
だけどさ、8cmって考えると、やっぱりこれ、意味ないってことじゃない?
なんで??
8cm進むでしょ、だからそう考えると、もし、さっきの文章(3文目)で終わりだとしたら必要あるけど、また最後の文があるなら出発前に1回分の燃料補給をしていることにすると何?
72cm先の学校・・・
8cmの燃料が入ってるってことでしょ、8×8は64になるから、だから64回燃料補給をすると、学校に行くまでに・・・(頭で考えている)・・・8×8=64だから、64回燃料補給をすることになる
やっぱり学校、描き直し
最後の文章がなかったら答えわかるの?
9回の燃料補給がいる・・・
ここだけなくして・・・
【下図】にバツをつける
1、2、3、4、5、6、7、8、やっぱ答えは・・・
答え書いてもいい?
もちろんだよ
答え、8回燃料補給すればいい【黄色のマーカー】
(絵の全体像は下図▼)
【朝子先生のコメント】
★できたこと
とても粘って考えてくれました。
最後の文章を、ここまでしっかり考え込んでくれる子は少ないかもしれません。
「1回分の燃料が入っている」→「8cm分の燃料が入っている」に置き換えることができているのには、参りました。
「1回」という言葉、なかなか難しい言葉です。何が1回なのか?がわからない子は多いです。何を1回と呼ぶのか、その場の状況や文章から読み取らなければいけないからです。
「1回分」の「分」も難しいことばです。大人は「あっちのぶんがいいね」など、日常でよく使う言葉ですが。
ばぶんごくんに「最後に通して読むから、ばぶんごくんが描いてくれた絵をよ~く見てね」とお願いすると、ちゃんと確認してくれました。
しっかり理解できているように思います。
72cm行かないといけないけど、8cm引くと64cmになってしまう・・・とか、色々考えていたんでしょうねえ。
本当によく頑張りました。
★その他
九九を使うと、8cm×9cm(ホントは9回)になったり、8×8で64回(ホントは64cm)になったりと、急に見えている世界から、見えない世界へ行ってしまいます。
計算や九九は便利ですが、わからないまま使うと、全く意味がわからなるので危険なんです。
大事なのは視覚で理解すること。
九九や計算はその補助。
まずは具体的に頭の中でイメージできることが、大切なのですね!
親の振り返り
オンライン授業の様子を報告してもらったら、親の出番です!
子どもができたこと、できなかったことを整理して、今後に役立てましょう。
▶︎できたこと
- 72cmを8cmずつ、9こに分解できた(わり算)
- 絵を何度も変えて、工夫できた
- 「1回分」がきちんと読み解けた。違う言葉に置き換えて表現することができた。
▶︎できなかったこと
- (なし)
▶︎その他
- 自分がはっきり理解できるまで追求する様子がみられた。曖昧にしたまま進めないという、伸ばしてあげたい個性だな〜と思った。
まとめ
今回は、ゼロイチ算数教室・山森朝子先生のオンライン教室の様子をお届けしました!
朝子先生のHP▶︎ゼロイチ算数教室/のんいく(https://zero1.info)
九九や計算だけに頼ると危険なワケ
九九を使うと、8cm×9cm(ホントは9回)になったり、8×8で64回(ホントは64cm)になったりと、急に見えている世界から、見えない世界へ行ってしまいます。
何を知りたいのか?が具体的にイメージできていないと、一瞬で見えない世界に入ってしまうのですね。
- 大事なのは、視覚でイメージできること(視考力)
- 九九や計算はその補助として、便利に使おう!
今回の記事は以上です!いかがでしたか?
絵図で解かないと理解しにくいことがよくわかる問題でしたね。
人生は計算ドリルのようにシンプルではありません。
答えの出ないトラブルにぶつかった時に、どんぐり問題のように一生懸命、工夫して考えられるように、これからも息子を応援していきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!