こんにちは!さよんごです。
「自分の人生を、自分で考えて生きる力」を育てる子育てについて情報発信しています。
今回は「発達障害とはなにか?」を考えてみたいと思います。
本から学びましょう!
「発達障害」について、私たちは知らないことだらけです。
原因不明なんですよね?
診断基準があいまいでは?
どうして医師によって診断が変わるのですか?
グレーゾーンが広すぎませんか?
こういった不確定な要素がたくさんあるのに、「この子はちょっとそれっぽいから専門機関に行ってみてね」というのは乱暴すぎやしないでしょうか。
非公開: 【発達障害ってなに?】平均より遅れているだけで「発達障害」なの?▶︎発達障害に思う疑問あれこれどうして世間は子どもを「発達障害」にさせたがるの??
その答えになる本を見つけました。
精神科医・香山リカ先生の著書『「発達障害」と言いたがる人たち』です。
今回の記事では、こちらの著書より、近年、発達障害が激増した背景について学んでいきたいと思います。
世間の大人たちが、「発達障害」に躍起になる理由がわかります!
生きづらさを抱える大人に向けた本でなのですが、子育ての参考になる情報もたくさんありましたので、そこを中心に紹介します!
目次
香山リカ先生ってどんな人?
香山リカ先生は精神科医で、立教大学現代心理学部の教授もされています。
私たちのような一般の人でも読みやすい本をたくさん書いたり、テレビのコメンテーターとしてもよく出ていた印象があります。
私が初めて香山先生の本を読んだのは、2009年の「しがみつかない生き方」でした。
確か、帯に書かれた「勝間和代を目指さない」のコピーが衝撃的でした。笑
世の中は勝ち組・負け組なんて言葉が出てきた時だったと思います。
時代の流れにさからい、「お金にしがみつかない」「生まれてきた意味を問わない」など、手放していこうというメッセージに、気持ちが楽になったのを覚えています。
悩む人に寄り添ってくれる先生だな〜という印象を持っています。
(参考)香山リカ先生の公式HP:香山リカ オフィシャルウェブサイト
本の紹介
ここからは、本の内容をまとめていきます。
発達障害はわかりにくい
発達障害とは?
発達障害は一般的には次のように説明される。
- 発達障害とは「脳の機能障害」の一つ。
- 脳自体に目に見える変化はなく、心の持ちようが原因でもないが、脳の発達がもともと通常と違っているため、本来の働きを果たさなくなっている障害。
発達障害は先天的なものだが、今の医学では脳のどこにどういう変化が生じているかははっきりつかめていない。
NHKによれば次のような説明もある。
- 発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹によって、社会生活に困難が発生する障害
「じゃあ、朝が苦手で遅刻が多くて、怒られてばかりな私は発達障害なの?」
「そもそも脳の機能障害ってなに?」
という疑問がわくのも不思議ではない。
つまり、発達障害の問題は「分かりにくい」ということ。
発達障害はわかりにくい。
それは精神科医にとっても同じ。
それでは、「わかりにくさ」の理由とは一体?
発達障害の定義•診断方法があいまい
わかりにくさの理由ひとつめ。
今から、ほんの30年前には…
- まだ発達障害の定義も定まっていなかった。
- 知的障害を伴わない発達障害があることや、おとなになってから気づかれる発達障害があることもほとんど知られていなかった
現在になってどうなった…?
- 発達障害の定義や診断方法は時代とともに変化したが、いまだ落ち着いていない。
- ある時代には「あなたは医学的に発達障害です」と言われていた人が、別の時代には「発達障害ではありません」となる。
- いい加減に見えるかもしれないが、血液検査ではっきりと貧血がわかるような病気とは違う性質がある
発達障害の診断ではどうしても医師の先入観や主観が入るのを完全には排除できない。
グレーゾーンが広すぎる!
わかりにくさの最大の理由。
発達障害とそうでない人との線引きがとても難しい。つまり、どちらなのかわからないグレーゾーンがとても広い。
さらに世間では「ふつうの人と区別がつかない軽度の発達障害」の方に注目が集まりすぎている。
グレーゾーンというのは便利ではあるがやっかいな言葉だ。
発達障害が「過剰診断」になるわけ
社会的な関心が高まりすぎている
通常クラスに在籍する生徒児童の中で発達障害と考えられる児童が約6.5%認められた。
この報告は世間に衝撃を与えた。
これに特別支援教育を受けている生徒をあわせると、日本では「約1割の児童が発達障害」ということになる。
発達障害は教育の場やメディアで取り上げられるばかりではなく、国や行政も動いている。
2015年では発達障害の初診待ちが平均で3ヶ月以上。半年待ちも珍しくない。
この背景として考えられるのは次のふたつ。
- 一般の人たちが「私と子どももそうなのでは」と過剰に心配するようになった。
- 行政や一部の医師も「発達障害を見逃すな」とどんどん診断をつけるようになっている。
しかし発達障害の場合、次の問題がある。
- いまだにその原因も障害のある部位も正確には特定されていない
発達障害はまだ、なんらかの先天的な脳の神経発達の障害であるらしい、というところまでしかわかっていないのだ。
こういう混乱の中、「あえて発達障害だと診断をつけなくてもよい例があるのでは」という意見も目につくようになってきた。
滝川一廣:そもそも「定型発達」という概念自体も、便宜的なものですからね。定型発達という明確な発達があるわけではなく、平均的にはこうだと言っているだけです。身長などでも、平均ぴったりの人は、全体の中では逆にマイノリティですよね。それを基準に、「これだけ平均からずれているから障害」と明確な線を引くのは、本当は無理があるのです。実際には、連続的につながっている。定型発達か発達障害かで悩むような例は、「80%定型発達、20%発達障害」なのかもしれません。
週間医学界新聞、2017年6月5日、医学書院
※ 滝川先生は児童精神医学の権威として著名な方だそう。
発達障害の激増を招いているいちばんの要因は?
発達障害についてはずっと医療の世界でもその外でも混乱が続いている。きちんと話せる専門家が少ないのも当然だし、専門家が話す内容も数年後には変わる可能性もある。
にもかかわらず、
- 「発達障害だと思われる人」はどんどん増えており、教育や行政もそれに対応せざるをえなくなっているというのが現実。
- 発達障害により学校で通級指導を受けている子は2015年で前年に比べ6520人増。
- 潜在的には通級指導が必要な子はさらに数万人以上いるという説もある。
障害自体がむかしと比べて激増しているとは考えにくいのに、なぜ診断を受けて支援を受ける子どもが増えているのか?
その最大の要因は「これまでそう診断されずにいた人まで、クリニックなどを受診して診断を受けるようになったから」である。
【その1】診断を求めて受診する親子が増えた
発達障害への社会的な注目の高まりによって、診断を求めて受診する親子が増えている。
【その2】医者側の過剰診断という問題
発達障害はどうしても診断に医師の先入観や主観が入るのを完全には排除できない。この性質が医者側の過剰診断の問題を生む。
例えば、言葉の発達がまわりより遅れている子ども、幼稚園や保育園などで集団に入りにくという子ども、ちょっとしたこだわりがある子どもなどがいると、親や教師が心配してすぐに病院を受診する。そして医師もASDですねといった診断名をすぐにつけてしまう。
【その3】新薬が出ると患者が増える
新薬が出ると製薬会社は巨費を投じてキャンペーンを行う。「患者掘り起こし」という方法。特許期間が切れたら効能に別の疾患を追加。そのたびに「患者掘り起こし」を行う。そして一般の人がどんどんクリニックに向かう。製薬会社がいま狙うのが発達障害。
世界では発達障害の過剰診断に警鐘が鳴らされている。日本は?
カナダ予防ヘルスケア作業部会(CTFPHC)から「むやみに発達の遅れの検査はしないほうが良い」と警告を発するガイドラインを2016年に発表。
アメリカからも同様のリポートがある。
日本はどうだ?
(本のまとめは以上です!)
私の感想
私の長年の疑問が解消される本でした!
息子が2歳の時に保育園から問題を指摘された時から、息子は将来一人で生きていくことが難しいのだろうか?と何年も悩み続けてきました。
私が子どもの頃ってもっとほのぼのしてなかったっけ?
わんぱくな子もおとなしい子も、中には悪ガキもいたけど、同じ「ふつうの子ども」だったよね?
世の中っていつの間に子どもに対してこんなに息苦しくなっちゃったの?
と、時代の変化について行けず、反発したくなる気持ちもありました。
大人を困らせない「いい子」だけが平均の子。
それ以外は何でもかんでも発達障害の枠に放り込み、専門機関に行かせて知らんぷり。
平均の枠が狭すぎない??
発達障害が多すぎじゃない??
今の世の中どうなってるの??
と、ずーっと不思議に思ってきましたが、その謎が解けました!
- 発達障害のあいまいな診断基準
- 世間の過剰反応
- 医者側の過剰診断
▶︎これらがミックスされて発達障害が増えすぎている!(発達障害ビジネスなんていうものまで)
この本を読んでやっぱり私は、何でもかんでも発達障害の枠に放り込む世間に振り回されずに、発達障害=脳の機能障害 だけでは終わらせない育児を考えていこう!と強く思いました。
まとめ
今回は、香山リカ先生の著書『「発達障害」と言いたがる人たち』から、近年、発達障害が激増した背景について学びました!
発達障害はどうして分かりにくいの?
発達障害が分かりにくいのは、2つの理由があります。
発達障害の定義や診断方法は時代とともに変化したが、いまだ落ち着いていない。
また、発達障害の診断ではどうしても医師の先入観や主観が入るのを完全には排除できない。
分かりにくさの最大の理由。
線引きがとても難しく、どちらなのかわからないグレーゾーンがとても広い。
発達障害が激増した理由とは?
発達障害が激増した理由は次の3つです。
発達障害への社会的な注目の高まりによって、診断を求めて受診する親子が増えている。
発達障害はどうしても診断に医師の先入観や主観が入るのを完全には排除できない。この性質が医者側の過剰診断の問題を生む。
例えば、言葉の発達がまわりより遅れている子ども、幼稚園や保育園などで集団に入りにくという子ども、ちょっとしたこだわりがある子どもなどがいると、親や教師が心配してすぐに病院を受診する。そして医師もASDですねといった診断名をすぐにつけてしまう。
新薬が出ると製薬会社は巨費を投じてキャンペーンを行う。「患者掘り起こし」という方法。特許期間が切れたら効能に別の疾患を追加。そのたびに「患者掘り起こし」を行う。そして一般の人がどんどんクリニックに向かう。製薬会社がいま狙うのが発達障害。
親はどうすべきか?
それでは、「発達障害」を受け入れがたい親は、どうすればいいでしょうか?
私は、自分の子どもをよ〜く観察することが必要だと思います。
- その子にとってストレスを多く感じる生活ではないか?
- 親子関係は子どもにとって安心できる関係か?
- 食事の栄養は偏っていないか?
- 早期教育で詰め込み学習をやっていないか?(大量計算ドリル、大量暗記など)
まずは子どもの環境を整えること。
そして、「発達障害」と決めつける価値観の教育者からは距離を置くことだと思います。
今回の記事は以上です!いかがでしたか?
私は「発達障害」という考え方をどうしても受け入れられませんでした。
そして、どんぐり倶楽部の子育てを中心に、栄養療法も取り入れて子育てをしてきました。
その結果、小2の今ではかなり落ち着き、難しい文章問題も解いてしまうようになりました。
子どもにどうかかわるか?は大きな問題です。
「発達障害」を受け入れがたい場合には、親が情報を探して、自分に合った情報を選んでいかないと子どもを守れません。
あきらめたら世間の多数派の意見に流されます。
私はあきらめません。